発達障害の子供との接し方


発達障害の子供とどう接したらいいのか、どんなことに気を付けてあげるべきなのか……この記事では『ADHD・自閉症スペクトラム・学習障害』の3つに分けて、特性のある子供との接し方を考えていこうと思います。
 
 

ADHD

注意欠陥・多動性障害のADHD。日常生活や学校生活で困ることと言うと、忘れ物や失くし物を頻繁にしてしまうことや、授業中に集中できない、並んで順番を待つなどのルールが守れないことなどです。
翌日の学校の準備などは必ず一緒に行うようにし、忘れ物のせいで叱られてしまうことを防ぎましょう。保護者が全部用意するのではなく、必ず子供自身に準備をさせてください。
落ち着きがない・衝動的な行動を取ってしまうときは、叱りつけるのではなく「今はこういう行動を取っちゃいけない」ということを分かりやすい言葉で教えてあげてください。理解し、守れた時には褒めてあげましょう。

自閉症スペクトラム

人と関わるのが苦手で方法や特定の物事に強いこだわりを持つ自閉症スペクトラム。特定の刺激に感覚過敏を持っている子も多いです。
小さい頃は特に、ずっと同じ遊びをしていることもあり心配になるかもしれませんが無理に他の遊びに変えさせる必要はありません。他のものに興味を持たせること自体は悪くないことなので、その子が自然と他のものに目が向くよう視野を広げるような進め方をしてあげるといいでしょう。
音や光などに過敏な子は、まずどんな刺激が一番苦手なのかを見極めてあげましょう。そしてその刺激に対してできる対策を練ってあげてください。さらに、周囲の人の理解も必要です。学校の先生やお友達やその保護者には、感覚過敏について話しておくようにしたいです。

学習障害

読み・書き・計算の特定の分野の勉強がどうしても苦手な学習障害。
その子の苦手はどの分野のどんな勉強なのかをまず見極めてあげましょう。その子が理解できるペースで一緒に問題を解いたり、練習をしたりすることが大切です。
そして、苦手を克服することはもちろん大事なのですが、苦手なことばかり勉強していても子供には苦痛です。その子の好きや得意を伸ばしたり、褒めてあげることを忘れないようにしてあげてください。

叱らないことが大事

発達障害の子供はその特性ゆえ日常生活でミスをしてしまったり、トラブルを起こしてしまうことがあります。特性についての周囲の理解がない場では、叱られてしまうことも。そういった経験が積み重なり、自信を喪失したり鬱などの二次障害を引き起こしてしまう子も少なくありません。
失敗してしまったり、場にそぐわない行動を取ってしまった場合は叱るのではなく「なぜいけないのか」「どういう行動を取るべきなのか」を説明してあげるようにしたいです。そして褒めるところを見つけて、たくさん褒めてあげるようにしてくださいね。

発達障害の種類について


ひとえに発達障害と言っても、発達の特性の違いでさらに種類が分かれています。
発達障害は主に3つの種類に分けて説明されることが多く、種類の違いでその子が苦手とすること・得意とすることや性格などが全く違います。
この記事ではそんな発達障害の種類と、種類別の特性をご紹介したいと思います。発達障害のお子さんを持つ保護者の方やこれから親になる方だけではなく、どんな方にでも読んでいただけると嬉しいです。

ADHD

注意欠陥多動性障害であるADHD。「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状が特徴なのがADHD。他の子と比べて落ち着きのなさが目立ってしまうことが多いです。
特に学校生活が始まると、忘れ物や失くし物が多くなってしまったり、授業にじっと座って集中することができずに先生に注意を受けてしまうことが増えます、また、列に並んで順番を待つなどのルールが守れないこともあります。
授業に集中『していない』・また忘れ物をしていると先生に叱られてしまったり、ルールが守れないことで同級生とトラブルになったりすることで鬱や不安障害などの二次障害を引き起こしてしまうことも多いのが注意点。本人が自信を喪失してしまう前に、早く気づいて対処することが大切です。

自閉症スペクトラム

対人関係のコミュニケーションが苦手で、特定の物事に強いこだわりを見せることのある自閉症スペクトラム。
自分がこうと決めたやり方以外の方法を柔軟に受け入れることができなかったり、同世代の子供と上手くコミュニケーションが取れなかったりします。とにかくマイペースが大事なため、無理に他のこと同じことをさせるよりその子のペースを考えてあげたいです。
特定の分野に強いこだわりを持ち、その分野で大成する人も多いです。その子の好きや得意を大事にしてあげてください。

学習障害

基本的な知的発達に問題はないものの、読み・書き・計算など特定の分野がどうしても苦手で躓いてしまうのが学習障害。
学校の勉強が本格的になると発覚することが多いです。知的発達には問題がないため、授業を聞いていない・理解する努力をしていないと思われて注意されてしまったり、成績が悪いことなどで本人の自己評価が下がってしまうことがあります。
なんでこんな問題も分からないのと叱るのだけは絶対に止めて、本人が理解できるまでゆっくり一緒に問題を解いたり解説してあげるようにしましょう。

周囲の理解が必要不可欠

発達障害の子供が生活しやすい環境づくりには、周囲の理解が必要不可欠です。
だからこそ初めに書いたように、発達障害の子供を持つ保護者の方だけでなく、定型発達のお子さんを持つ保護者の方、発達障害のことを全く知らない方にももっと発達障害のことを知っていただき、どんな子供でも生きやすい環境ができていってほしいですね。